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離婚の財産分与│オーバーローンの住宅はどうすればよい?

2022年05月30日
  • 財産分与
  • 離婚
  • オーバーローン
離婚の財産分与│オーバーローンの住宅はどうすればよい?

立川市が公表している戸籍届出処理件数に関する統計資料によると、平成31年(令和元年)における立川市内の離婚人数は、445人でした。毎年一定数の夫婦が離婚をしていますので、離婚は身近な出来事といえるでしょう。

離婚をする際には夫婦の財産を分けるいわゆる財産分与がひとつの争点となります。特に、売却しても住宅ローンが残る「オーバーローン」がネックになり、離婚の話し合いが進まないということもあります。

今回は、オーバーローンの住宅がある場合の財産分与の考え方について、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスの弁護士が解説します。

1、離婚における財産分与の基礎知識

以下では、離婚時における財産分与の基本的事項について説明します。

  1. (1)財産分与とは

    財産分与とは、離婚に夫婦が協力して維持・形成してきた財産を清算する制度のことをいいます。財産分与は、婚姻期間中の財産維持・形成に対する貢献度に応じて夫婦の財産を清算するものですが、その貢献度は夫婦で等しいものと考えられています。

    そのため、財産分与の割合は、2分の1が原則となります。夫がサラリーマンで妻が専業主婦の家庭では、夫の収入によって夫婦の財産が形成されることになりますが、妻も家事育児によって家庭・家計を支えることによって財産維持に貢献をしたといえますので、この場合も財産分与の割合が2分の1になるのは変わりません。

    なお、財産分与には、期間の制限があり、離婚後2年以内に請求をする必要があります

  2. (2)財産分与の対象となる財産

    財産分与の対象になる財産は夫婦の「共有財産」の部分に限られます。共有財産とは、婚姻期間中(入籍日から別居日又は離婚成立日)に夫婦が協力して維持・形成された財産のことをいい、財産の名義が夫婦のどちらであるかという形式的な判断ではなく、実質的に判断をすることになります。

    財産分与の対象となる代表的な財産としては、以下のものが挙げられます。

    • 現金、預貯金
    • 株式や投資信託などの有価証券
    • 不動産
    • 保険の解約返戻金
    • 退職金
    など


    これに対して、独身時代にためた預貯金や親から相続した財産などは夫婦の協力とは無関係な財産ですので、このような財産は「特有財産」として財産分与の対象外となります。

2、オーバーローンの問題点

ローンが残っている不動産を財産分与する場合、売却してローンが完済できるアンダーローンになれば、当該不動産が財産分与となることで問題ありません。では、不動産を売却しても負債が残ってしまう、いわゆるオーバーローンになってしまう場合、不動産やローンの扱いはどうなるのでしょうか。

以下では、オーバーローンの概要と、オーバーローンの問題点について詳しく説明します。

  1. (1)オーバーローンとは

    オーバーローンとは、不動産の現在価値が、ローン残債を下回っており、不動産を売ってもローン債務が完済できない状態のことをいいます。

  2. (2)オーバーローンとなっているときの問題点

    住宅ローンの残額が自宅の価値を上回るオーバーローンになっている場合、以下のような問題点が生じます。

    ① 自宅を売却しても借金が残る
    オーバーローンは、自宅の評価額よりも住宅ローンの方が上回っている状態のため、自宅を売却しても住宅ローンを完済することができず、借金が残ってしまいます。すると、自宅を失ったにもかかわらず住宅ローンの返済を続けることになり、家賃と住宅ローンの支払いという二重の負担を強いられることになります。

    また、オーバーローンの自宅を売却するためには、抵当権を抹消するために、銀行などの金融機関に承諾をもらう必要があります。抵当権とは、住宅ローンが滞納された際に競売などにかけて売却できる担保権で、この権利が金融機関にある限り、通常は住宅を売ることができません。

    ② 連帯保証人に対して請求されるリスク
    住宅ローンを組むときに、名義人が夫で、妻やその親族が連帯保証人になっていることがあります。

    オーバーローンとなっても、離婚後も夫がきちんと返済を続けてくれれば問題はありませんが、夫が住宅ローンの支払いを怠ったり、自己破産したりした場合は、連帯保証人である妻やその親族に請求がいくことになります。

    ③ 財産分与の対象外と判断される
    婚姻後に購入した自宅については、原則として共有財産にあたり財産分与の対象になります。しかし、住宅ローンがある場合には、自宅の評価額から住宅ローンの残額を差し引いた金額が財産分与における不動産の価値となります。

    オーバーローンの場合、住宅ローンの残債が家の評価額を上回るため、不動産の価値はマイナスになってしまいます。このような場合は、不動産の価値がゼロであるとして財産分与の対象にはならないことになります。

3、オーバーローンのマイホームがある場合はどうするべきか

オーバーローンのマイホームがある場合には、離婚時にどのような処理をすればよいのでしょうか。

  1. (1)自宅を売却する

    離婚後、自宅に夫婦のどちらも住むことを希望していない場合には、売却を検討することになるでしょう。

    オーバーローンの場合には、売却時に金融機関に抵当権を抹消してもらえなければ買い手が付きませんので、金融機関と相談をしながら売却をすすめていくことが大切です。

    また、オーバーローンの場合には、売却しても住宅ローンが残りますので、売却後の残債務の支払い方法や負担割合などを夫婦で話し合って決める必要があります

  2. (2)夫名義の自宅に夫が住む

    自宅の名義人が夫、住宅ローン名義も夫という場合には、離婚後も夫が自宅に引き続き住むという方法があります。自宅やローンの名義変更も不要となるため、このような方法を選択している夫婦も多いと思います。

    もっとも、妻が連帯保証人になっている場合には、夫による住宅ローンの滞納があった場合には、妻が責任を負わなければならなくなりますので注意が必要です。この場合には、夫に住宅ローンの借り換えをしてもらう、別の連帯保証人を探してもらう、他の不動産を担保として提供するなどの方法で連帯保証人を外してもらうようにしましょう。

  3. (3)夫名義の自宅に妻が住む

    自宅の名義人が夫、住宅ローン名義が夫という場合であっても、妻が自宅に住むという方法もあります。小さい子どもがいて転校などの環境の変化で負担が生じる場合には、一定の期間を定めて妻が自宅に住むという方法を選択することがあります。

    住宅ローンの主債務者は夫ですので、夫が住宅ローンを支払っていくことになりますが、夫による住宅ローンの支払が滞った場合には、妻と子の住環境が脅かされることになりますので、あまり賢明な選択肢ではありません。夫に十分な資力がない場合、離婚後も夫に住宅ローンの支払いを委ねて、自宅に住み続けるという選択肢は、取らない方が無難です。

    夫に十分な資力があり、また子の養育環境は変えないことで夫婦の考えが一致しているなど、離婚するとはいえ夫と妻との間においてある程度の信頼関係が有る場合には、夫に住宅ローンの支払いを委ね、妻と子が現在の自宅に住み続けるという選択肢も有り得るでしょう。

    ただし、妻子が居住する住宅ローンの支払を夫が行うことは、養育費額の計算において考慮される(養育費減額事由となる)ので注意しましょう

    なお、住宅ローンの借入時には、名義人が自宅に住むことを条件に融資が実行されていますので、名義人以外が自宅に住む場合には、金融機関の同意を得る必要があります。

  4. (4)夫名義の自宅を妻が取得する

    夫名義の家に妻が賃貸という形で住むのではなく、夫名義の自宅を妻が取得して住むという方法もあります。

    しかし、住宅ローンが残っている場合には、住宅ローンの主債務者を妻に変更する必要があります。その場合、妻に安定的な返済能力があるか問われる上、オーバーローンは、自宅だけでは十分な担保価値がないと判断され、既存の住宅ローンを完済するための融資を受けることができない可能性もありますので注意が必要です

4、財産分与に不動産が含まれる場合の注意点

離婚時の財産分与の対象財産に不動産が含まれる場合には、以下の点に注意が必要です。

  1. (1)適切な評価方法を選択すること

    現金や預貯金であれば、基準時における残高がそのまま財産分与の対象になります。しかし、不動産の場合には、さまざまな評価方法がありますので、どの評価方法を採用するかによって、財産分与の対象になる金額が大きく変わってきます。

    自宅がオーバーローンになるかアンダーローンになるかによって、財産分与でもらうことができる金額が大きく変わりますので、自宅の評価額の鑑定には、不動産の専門家に依頼するなどして適切な評価額を知ることが大切です。

  2. (2)金融機関とも相談が必要

    財産分与自体は、夫婦の合意だけで行うことができますが、住宅ローンが残っている自宅を財産分する場合には、借り入れをした金融機関に相談をすることが大切です。

    住宅ローンの借入れ時には、自宅の名義変更や居住者が変更になる場合、金融機関の同意を得ることが条件とされることが一般的です。そのため、金融機関の同意を得ることなく名義変更を行うと、条件違反を理由として一括返済を求められるリスクがあります必ず、事前に金融機関に相談するようにしましょう

  3. (3)財産分与は弁護士に相談する

    離婚における財産分与では、預貯金や株、自動車など、プラスの財産以外にも借金や住宅ローンなどマイナスの財産もすべて洗い出す必要があります。また、財産分与以外にも親権はどちらにするか、養育費や面会交流の回数など、取り決めることが多々あります。

    早期に弁護士に相談し、交渉を任せることで、離婚後の安定した暮らしにつながる結果となることが期待できます。また、財産分与や養育費などの取り決めは公正証書に残しておくことで、万が一支払いが停止した場合、すみやかに差し押さえの手続きへと移行することができます。こうした書類作成も弁護士に任せることができるので、まずは相談してみることをおすすめします。

5、まとめ

マイホームを所有する夫婦が離婚をする場合、オーバーローンの状態になっていると、財産分与をめぐってトラブルになるケースが多くなります。財産分与は、離婚後に安定した生活を送るためにも重要になりますので、不利な条件で離婚することがないようにするためにも離婚問題の実績がある弁護士にサポートを受けることをおすすめします。

離婚に関してお悩みの方は、実績豊富なベリーベスト法律事務所 立川オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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