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スポーツ中の怪我は損害賠償責任を負う? 立川の弁護士が解説!

2020年10月07日
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スポーツ中の怪我は損害賠償責任を負う? 立川の弁護士が解説!

立川市の公立中学では、部活動や体育の時間などに生徒が怪我を負ったり死亡してしまったりしたときに備え、全国市長会学校災害賠償補償保険に加入しています。スポーツ中は何かと怪我が多く発生しがちです。レスリングはもちろん、サッカーやバスケットボールなどの球技でも、試合中に接触して相手に怪我を負わせてしまう場合も多々あるでしょう。

しかし、学校内に限らずスポーツ中に接触事故を起こし、あなたやあなたの家族が加害者となってしまったとき、損害賠償請求などの責任を必ず負うのでしょうか。格闘技などスポーツの種類によっては、ある程度の怪我を見込んでいる場合もあるので、すぐに答えを出すことは難しいでしょう。

そこでこの記事では、スポーツ中の怪我と損害賠償請求について、立川オフィスの弁護士が解説します。

1、スポーツ中の怪我は損害賠償請求される?

まず、スポーツ中に起きた怪我について、損害賠償責任が発生するのか、確認していきましょう。

  1. (1)損害賠償責任は発生するのは例外的

    スポーツでは怪我をしやすい状況が多々起こります。たとえばラグビーやサッカー、バスケットボールでは、ひとつのボールを求めて複数人が群がるため、他者との接触が起こりやすく怪我も生じやすいスポーツだといえるでしょう。そのため、「スポーツに怪我はつきもの」との考えが、一般的に広く認識されています。

    このようなことから、スポーツ中の怪我については、損害賠償請求の対象とならないことが原則です。裁判例でも、原則として損害賠償責任を負わないと解釈されています。(東京地判昭和45年2月27日判決)

    この裁判例では、「加害行為については、それがスポーツのルールに著しく反することがなく、かつ通常予測され許容された動作に起因するものであるときは、そのスポーツの競技に参加した者全員がその危険をあらかじめ受忍し加害行為を承諾しているものと解するのが相当であり、このような場合加害者の行為は違法性を阻却するものというべきである」と判断されています。

    各スポーツには、それぞれ怪我をする危険性があることを前提として、危険性を緩和するためのルールが定められています。参加者が、ルールを守って参加する限り、仮に、スポーツの最中に怪我が発生した場合でも、参加者は、スポーツに内在する危険を受忍していたものとして、違法とはならないと考えられているのです。

  2. (2)請求される場合もある

    しかし、注意義務違反や、わざと相手に怪我をさせたような場合には責任を問われることがあります。

    具体的には、下記のような場合です。

    ●ルール違反をして怪我をさせた場合
    怪我をさせた際に、各スポーツのルールを明らかに守っていなかった、もしくはスポーツ中の行為として通常考えられない行動をとっていたケースでは、損害賠償を請求されると考えられます。

    たとえば、平成30年にニュースになった、大学アメリカンフットボールの試合中の事件について記憶している方も多いでしょう。この事件では、ボールの動きとはまったく関係ないときに、突然敵チームからエース選手がタックルをされて怪我を負いました。

    アメリカンフットボールでは、ボールを奪うためにタックルをすることは、競技上よくある行動です。しかし、ボールを持っていない人物にタックルをする必要はありません。タックルされた選手からすれば、タックルされる場合ではないときにタックルされるなどと思わないでしょうから、必要以上に体勢を崩しやすくなり、怪我もしやすくなると考えられます。

    こうした行為は、民法上では不法行為に該当し、相手が怪我をしたような場合は損害賠償責任を負います。

    ●過失が認められる場合
    不法行為による損害賠償請求は、故意、または過失によって他人に怪我をさせてしまった場合などで認められます。スポーツ中の怪我も、同様に損害賠償責任を負うことになる可能性があるでしょう。

    前述のようにルールを無視して故意に「わざと」相手に怪我をさせた場合でなくとも、スポーツを行うにあたって必要な注意を怠った結果怪我をさせた場合は、過失があったとして責任を負います。このときの「過失」とは、危険な結果が起きるかもしれないと予想することができ、その危険な結果を防止できたにもかかわらず、しなかったような場合を指します。

    たとえば、バスケットボールの試合では、素人相手と選手相手ではプレーのパターンがかなり異なります。選手同士では多少の衝突も日常的になっており、ある程度予想ができるとともに、怪我にならないよう訓練ができているかもしれません。

    しかし、素人相手に選手が本気でぶつかれば、衝突により素人が怪我をすることは容易に予想できます。このように、怪我が予想できたにもかかわらず、必要な注意を怠ったために怪我をさせた場合、注意義務違反という過失があったとみなされる可能性が出てくるでしょう。

2、損害賠償責任は誰が負う?

スポーツ中に起こった衝突事故などで怪我人が出てしまった場合、誰が損害賠償責任を負うことになるのでしょうか。

損害賠償責任を負う者が誰なのかを判断するにあたっては、怪我をした原因がどこにあり、危険を避ける注意義務を負っていたのは誰なのかを判断する必要があります。

  1. (1)怪我をさせた者

    まず、怪我をさせた者自身が損害賠償責任を負います。先ほど解説したとおり、普通にスポーツをしていてたまたま怪我をさせてしまった場合は、通常は責任自体が発生しません。しかし、ルール違反などの故意、または過失などが認められる場合は責任を負います。

  2. (2)安全に配慮する義務のある者

    怪我をさせた者だけでなく、監督など選手の安全に配慮する義務のある者や団体なども賠償する責任を負うことがあります。

    たとえば、部活動の監督やコーチなど、選手を管理監督する立場にあるものは、安全に配慮する義務があります。ラフプレーが多い選手などに対しては、相手に怪我を負わせる危険が高いため、ルールを順守するよう注意する義務があるといえるでしょう。

    さらに、監督やコーチが、選手に対しラフプレーを指示したような場合は、実際にラフプレーを行った選手と連帯して責任を負うことになるでしょう。

  3. (3)施設管理者など

    その他、スポーツを行う施設の管理者が責任を負う場合もあります。これは、施設管理者には、安全に施設を利用できるように、設置物などを安全な状態に保てるように配慮する義務があるためです。

    たとえば、バスケットボールの試合中にシュートを決めようとした際に選手同士の衝突があり、その衝撃で老朽化したバスケットゴールが選手に落ちてきてしまった場合などが考えられます。

    バスケットゴールはダンクシュートなど、選手が直接強い衝撃を与えることが予測される設備で、部品に何らかの不備があった場合、設備が破損して選手が怪我をすることは予想できます。設備が安全な状態に保たれていないことを認識しながらそれを放置したような場合、施設管理者も損害賠償責任を負うことになります。

3、スポーツ中の怪我やトラブルは弁護士に相談を!

スポーツ中に起こった事故により、相手に怪我を負わせてしまった場合、弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)客観的に責任の所在を判別できる

    スポーツの試合中は、選手たちは競技に集中しているため、お互いが冷静に状況を把握することは困難で、本来選手側に問題がない場合でも、一方的に損害賠償を請求される場合があります。

    スポーツ中に怪我をさせてしまった場合は、まずは弁護士に相談するといいでしょう。弁護士ならば、事後的に状況を冷静に判断して、客観的に損害賠償責任を負うべき責任があるのかアドバイスしてもらえます。

  2. (2)示談交渉から裁判まで対応できる

    実際に損害賠償請求をされた場合は、弁護士に間に入ってもらい、示談交渉を依頼するとよいでしょう。法律の専門家である弁護士から和解案を提示すれば、交渉も成功しやすいと考えられるからです。

    また、万が一裁判ということになった場合でも、弁護士がいればそのまま代理人として裁判対応も任せることができます。スポーツ中に起こった事故で不安を感じている方は、客観的な証拠を集めるためにも早急に弁護士に相談することをおすすめします。

4、まとめ

スポーツ中のプレーが原因で他人に怪我を負わせてしまった場合、原則的には損害賠償責任を負いません。しかし、民法上の不法行為に該当するようなラフプレーや大きなミスで相手に怪我をさせた場合は、損害賠償責任を負うことがあります。

いずれにしても、当事者間ではトラブルがおさまりにくいことが多いため、紛争の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。スポーツ中に怪我をさせてしまった、怪我をしてしまったなどの事態に陥り、お悩みのときは、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスでご相談ください。損害賠償請求事件に対応した経験が豊富な弁護士が尽力します。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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