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保険証を偽造したらどんな罪に問われる? 弁護士が分かりやすく解説

2021年04月19日
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保険証を偽造したらどんな罪に問われる? 弁護士が分かりやすく解説

令和元年8月27日、偽造した健康保険証を利用してスマートフォンをだまし取ったとして、警視庁葛西署は、東京都在住の男性を有印私文書偽造・同行使と詐欺の疑いで逮捕しました。この男性は、家電量販店でスマートフォンを購入する際に、身分証明書として偽造した健康保険証を提示して身元を偽り、スマートフォンを購入したようです。

保険証については、医療機関を受診する際に提示するだけでなく、身分証明書としての機能も有しています。上記のようなスマートフォンの購入以外でも、身分証明書として保険証の提示を求められた経験がある方も多いでしょう。

もし偽造した保険証を作成、利用してしまったときにはどのような罪に問われることになるのでしょうか。

今回は、保険証を偽造したらどのような罪に問われるかについて、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスの弁護士が解説します。

1、保険証は公文書にあたる

保険証を偽造したときにどのような犯罪に該当するかを考えるにあたって、保険証が法律上どのような性格の文書として扱われるかを説明します

  1. (1)公文書と私文書の違い

    公文書とは、公務所または公務員がその名義において、その権限の範囲内で作成する文書や図画のことをいいます。たとえば、戸籍謄本、住民票、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどが公文書です。

    公文書のうち、公務所または公務員の印章や署名があるものを「有印公文書」、それらがないものを「無印公文書」と呼びます。

    一方、私文書とは、権利、義務または事実証明に関する文書・図画であって公文書以外の文書のことをいいます。たとえば、借用書、請求書の他、私立大学入試の答案などです。

    私文書のうち、作成名義人の印章や署名があるものを「有印私文書」、それらがないものを「無印私文書」と呼びます。

    公文書と私文書を比較したときには、公務所または公務員が作成する公文書の方が、類型的に信用性が高い文書であるため、文書を偽造したときの責任としては、公文書の偽造のほうが重くなります

    また、有印文書と無印文書とでは、印章や署名がある有印文書の方が信用性が高いため、文書を偽造したときの責任としては、有印文書の偽造の方が重くなります。

  2. (2)保険証は公文書の一種

    健康保険証については、上記の定義でいえば、公務所または公務員がその名義において作成する文書にあたりますので、公文書に該当します

    また、健康保険証には、印章が存在していますので、有印公文書に該当することになります。

2、保険証を偽造はどんな罪に問われる?

保険証については、有印公文書に該当することになりますが、保険証を偽造したときにはどのような罪に問われることになるのでしょうか。

  1. (1)有印公文書偽造罪

    健康保険証は有印公文書ですので、それを偽造したときには、有印公文書偽造罪が成立する可能性があります(刑法155条1項)。

    文書の偽造とは、作成名義人と作成者の人格の同一性を偽る行為のことです。健康保険証の被保険者の内容を改変することは、健康保険証の本質的部分を改変するものですので、人格の同一性を侵害する行為であるとして、偽造に該当します。

    また、文書偽造の罪は、文書に対する公共の信頼を保護することを目的としたものです。そのため、文書偽造の罪が成立するためには、「行使の目的」が必要とされています

    文書を偽造したものの、それを利用して他人を誤信させる目的がなかったときには、文書偽造の罪は成立しません。健康保険証を偽造して、身分や生年月日を偽ろうとしたときには、行使の目的も認められますので、有印公文書偽造罪が成立する可能性があります。

    有印公文書偽造罪の法定刑は、1年以上10年以下の懲役です。

  2. (2)偽造有印公文書行使罪

    偽造した健康保険証を原本の用に供したとき、すなわち、真正の文書として使用したときには、偽造有印公文書行使罪が成立する可能性があります(刑法158条1項)。

    偽造した健康保険証を所持しているだけでは、その健康保険証を他人の閲覧に供して内容を認識し得る状態においていませんので、真正の文書として使用したとはいえませんが、その偽造した健康保険証を身分確認の際に提示した時点で、「行使」をしたと考えられます

    偽造公文書行使罪の法定刑については、偽造有印公文書行使の場合、有印公文書偽造罪と同様に、1年以上10年以下の懲役と規定されています。

3、公文書偽造と私文書偽造の違いは?

同じ文書の偽造でも公文書偽造と私文書偽造では、以下のような違いがあります。

  1. (1)法定刑の違い

    公文書と私文書の違いで説明したとおり、公文書偽造と私文書偽造では、文書の作成名義に違いがあります。

    私文書偽造罪の法定刑が3月以上5年以下の懲役と規定されているのに対して、公文書偽造罪の法定刑は、1年以上10年以下の懲役と規定されており、後者の方が重い罪であることがわかります。

  2. (2)公文書については無形偽造も処罰対象

    無形偽造とは、文書の作成権限を有する者が真実に反する内容の文書を作成することをいいます。いわゆる虚偽文書の作成のことです。

    刑法156条は、「公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による」と規定して、作成権限のある公務員が虚偽文書を作成する行為を処罰対象としています

    公文書が社会的信用性の高い文書であることから、公務員の虚偽文書の作成を一般的に処罰することにしたものです。

    私文書については、有形偽造について刑法159条により処罰の対象となっていますが、このような無形偽造(虚偽文書の作成)を一般的に処罰する規定はありません。ただし、例外的に、医師が虚偽診断書などを作成したときには虚偽診断書等作成罪が成立します(刑法160条)。

    医師が公務所に提出すべき診断書などは、権利・義務の発生、変更および消滅その他の法律関係の証明書類として重要なものであることから、私文書のうち特に医師の作成・提出すべき文書の無形偽造のみを処罰の対象としたものです。

4、公文書偽造で逮捕された場合の流れ

公文書偽造罪で逮捕されたときには、以下のような流れで刑事事件が進んでいきます。

  1. (1)逮捕・取り調べ

    公文書偽造罪で逮捕されるケースとしては、偽造した公文書を他人に提示したのが発覚してその場で現行犯逮捕されるケースや、後日保険証のコピーから偽造文書であることが発覚して後日逮捕されるといったケースが考えられます。

    いずれにしても、逮捕されたときには、警察官によって警察署に連行され、そこで公文書偽造の経緯などについて取り調べが行われることになります

    逮捕は、被疑者の身体を強制的に拘束する処分であるため、法律上時間制限が決められています。

    警察官は、被疑者を逮捕したときから48時間以内に被疑者を釈放するか検察官に送致するかを判断しなければなりません。また、警察官から送致を受けた検察官も、逮捕時から72時間以内で送致を受けたときから24時間以内に被疑者を釈放するか、さらに身柄拘束を継続するかの判断をします。

    逮捕されたときには、不安な気持ちから誰かと面会をしたいと考えるかもしれませんが、基本的に、逮捕直後に面会が認められているのは弁護士だけです

    弁護士が早期に面会をすることによって今後の刑事手続きの流れや取り調べについてのアドバイスを行うことができますので、身内の方が逮捕されてしまったという場合には、早期に弁護士に相談をするようにしましょう。

  2. (2)勾留

    検察官がさらに身柄拘束をする必要があると判断したときには、検察官は裁判所に対して勾留請求を行います。勾留請求を受けた裁判所としては、さらに身柄拘束をする必要性・相当性があると判断したときには、勾留決定の判断を下すことになります。

    勾留決定がなされると、被疑者の身柄拘束はさらに10日間継続することになります。ただし、勾留については、検察官から勾留延長の請求がなされることがあり、裁判所によって勾留延長の決定がなされたときには、さらに最大10日間の合計20日間身柄拘束が継続することになります。

    なお、勾留後は、弁護士の他、面会禁止がされていなければ、家族等も面会することができます。

    逮捕・勾留がなされると最長23日間もの間、身柄拘束が継続することになります。社会人の方は、会社や家庭への影響、学生の方は学校への影響は避けられないことになります。

    弁護士であれば、身柄の早期解放に向けて活動できる場合がありますので、社会生活への悪影響を少しでも減らすために、早期に弁護士相談するようにしましょう。

  3. (3)起訴または不起訴処分

    検察官は、勾留期限が満了するまでに被疑者を起訴するか不起訴とするかを判断しなければなりません。健康保険証の偽造のような有印公文書偽造罪の場合、法定刑が懲役刑しか存在しないため、起訴されたときには正式裁判によって犯した罪が裁かれることになります

    仮に、不起訴処分となったときには、身柄拘束は解かれ、前科も付くことはありません。

    起訴された場合にはさまざまな事情を考慮して量刑を考えることになります。公文書偽造罪とともに詐欺罪が成立しているようなケースでは、詐欺罪の被害者との間で示談を成立させることが量刑を考えるにあたっては有利な事情となり得ます。

    被疑者本人では、被害者が連絡先などの個人情報の提供を拒むことも多いため、示談交渉を行うことは困難です。示談交渉を行いたい場合には、弁護士に依頼して行う方がよいでしょう。

5、まとめ

公文書偽造罪は、私文書偽造罪に比べて重い犯罪類型です。近年は、特殊詐欺の連絡手段であるスマートフォン購入の際に健康保険証が利用されるといったケースもあります。

公文書偽造罪は、偽造公文書行使罪や詐欺罪といった犯罪も併せて成立する可能性のあるものですので、初犯であっても実刑判決となる可能性があります。

軽い気持ちから保険証を偽造してしまったという場合でも、公文書偽造罪は成立しますので、保険証を偽造したことで捜査機関から疑いをかけられている方は、早期にベリーベスト法律事務所 立川オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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