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新築離婚とは? 離婚する場合の注意点と財産分与について解説

2023年07月06日
  • 離婚
  • 新築離婚
新築離婚とは? 離婚する場合の注意点と財産分与について解説

東京都立川市の令和3年度(2021年度)の婚姻件数は1415件、離婚件数は365件でした。中には、新築物件を購入したにもかかわらず離婚に至ったケースもあるかもしれません。

実際、新築住宅(戸建て・マンション)の完成を待っている段階、あるいは完成後間もない段階で、価値観の相違が浮き彫りになって離婚してしまう夫婦は意外に多く存在します。

新築離婚をする際には、特に財産分与に関してたくさんの注意点があります。できる限りトラブルを避けるためには、弁護士のアドバイスを求めましょう。今回は新築離婚について、財産分与に関する注意点を中心に、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスの弁護士が解説します。

出典:「統計年報~数字で見るたちかわ~2022(令和4)年版・第58号」(立川市)

1、新築離婚とは

「新築離婚」とは、新築物件の完成を待っている段階、あるいは完成後間もない段階で夫婦が離婚することの俗称です。

新築離婚の背景には、以下のような原因が存在するケースが多いです。

  1. ① 価値観の相違が浮き彫りになる
    新築物件の建設・購入に関しては、決めなければならないことがたくさんあります。さまざまな事柄について話し合いを重ねる中で、夫婦の間で価値観の相違が浮き彫りになり、離婚に至ってしまうケースがあります。

  2. ② 経済的負担によって生活が苦しくなる
    新築物件を購入すると、住宅ローンなどの支払い負担が発生します。収入水準に見合わない高額の新築物件を購入した場合、夫婦の生活が一挙に苦しくなり、夫婦関係に悪影響を与えてしまうことがあります。

  3. ③ 義両親との同居について揉めてしまう
    新築物件の購入に伴い、夫婦のいずれかが相手に対して両親との同居を提案するケースがあります。しかし一般的に、義両親との同居はストレスが大きいため、相手は難色を示す場合も少なくありません。義両親との同居について意見が相違した結果、お互いに将来的な関係性を悲観し、離婚に至ってしまうことがあります。


2、新築離婚時の財産分与の考え方

新築離婚をする際には、特に財産分与が大きな問題となります。新築物件を財産分与する方法と、財産分与の方法を決める手続きについて確認しておきましょう。

  1. (1)新築物件を財産分与する方法

    新築物件を財産分与する方法としては、以下のパターンが挙げられます。

    1. ① 代償分割
      夫・妻のどちらか一方が新築物件全体を取得する代わりに、他方に対して金銭(代償金)を支払う方法です。オーバーローン(※)の場合は、新築物件を取得する側が相手から金銭を受け取ることもあります。いずれにしても、代償金を準備できるかどうかが成否のポイントです。

      (※)オーバーローン:物件の売却価格がローン残高を下回っており、売買代金全額を充当してもローンを完済できない状態。これに対して、物件の売却価格がローン残高を上回っている状態を「アンダーローン」といいます。

    2. ② 換価分割
      新築物件を売却して住宅ローンを返済し、残った金銭を分ける方法です。オーバーローンの場合は、返済資金を別途調達する必要があります。

    3. ③ 共有分割
      離婚後も新築物件を共有し続ける方法です。ペアローンで新築物件を購入した際には、共有分割が選択されることもよくあります。


    また、住宅ローンとの兼ね合いで、上記の各方法により財産分与することが難しい場合は、新築物件を財産分与の対象から除外してしまうことも考えられます。この場合、新築物件や住宅ローンの名義は変更しません。

    しかし、名義人ではない側が新築物件に住み続けるために、名義人から「使用借権(無償)」や「賃借権(有償)」の設定を受けるケースがたまに見受けられます。使用借権の設定を受ける場合は、借りる側にとって大きなリスクがあるので注意が必要です(「3、(4)元配偶者から新築物件を無償で借りるのは危険」にて後述)。

  2. (2)財産分与の方法を決める手続き

    離婚時の財産分与の方法は、夫婦間の協議で決めるのが原則です。しかし、新築物件の財産分与が問題となる場合には、夫婦間で意見が対立して合意に至らないケースもよくあります。

    協議が成立しない場合は、離婚前であれば「離婚調停」、離婚後であれば「財産分与請求調停・審判」を通じて財産分与の方法を話し合います

    各調停では、調停委員が夫婦双方の主張を公平に聴き取り、合意成立に向けた話し合いを仲介します。

    調停も不成立となった場合には、離婚前であれば「離婚訴訟」、離婚後であれば家庭裁判所の審判によって、財産分与の方法について結論が示されます。訴訟・審判で財産分与の方法が決定される場合、財産分与の割合は半分ずつとなるのが原則です。

3、新築物件の財産分与に関する注意点

新築物件の財産分与に関しては、以下の各点に十分ご注意ください。

  1. ① オーバーローンになるケースが多い
  2. ② 名義変更時にはローンの借り換えが必要
  3. ③ 他の財産が乏しい場合はバランスが難しい
  4. ④ 元配偶者から新築物件を無償で借りるのは危険


  1. (1)オーバーローンになるケースが多い

    新築物件の価格には、不動産会社(デベロッパーやハウスメーカーなど)の販促費用が上乗せされています。そのため、購入直後に売却する場合、購入時の価格を大幅に下回る価格でしか売れないケースが多いです。

    したがって、多額の頭金を用意して購入したケースを除けば、新築離婚の段階において、物件はオーバーローンの状態になっている可能性が高いでしょう。

    住宅ローンが付いたまま、物件を売却することはできません。そのため、財産分与の一環として新築物件をやむを得ず売却する際には、住宅ローンの完済資金を別途準備しなければならない点に注意が必要です。

  2. (2)名義変更時にはローンの借り換えが必要

    新築物件の所有者を変更する場合は、それに伴って住宅ローンの借り換えが必要となります。物件の所有者は、住宅ローンの債務者と一致していなければならないためです。

    特にペアローンで新築物件を購入した場合や、収入の少ない側に所有者を変更しようとする場合には、住宅ローンの借り換え審査に通らないことがよくありますこの場合、別の方法による財産分与を検討しなければなりません

  3. (3)他の財産が乏しい場合はバランスが難しい

    新築物件の財産分与は、オーバーローンでもアンダーローンでも、その金額(価値)は数百万円以上になるケースが多いでしょう。

    仮に財産分与割合を半分ずつとする場合、新築物件を売却せずに財産分与を行うためには、オーバーローン時の不足額またはアンダーローン時の超過額に相当する価値の財産が別に存在しなければなりません。

    しかし実際には、現金や預貯金などの財産を十分に持っておらず、新築物件とのバランスが取れた形で財産分与を行うのが難しいケースも多いです。

    このようなケースにおいて、財産分与の方法について夫婦の合意が調わない場合には、新築物件を売却せざるを得ないこともあるのでご注意ください

  4. (4)元配偶者から新築物件を無償で借りるのは危険

    新築物件の所有者を元配偶者としつつ、実際に住み続けるのはご自身とするケースでは、元配偶者から使用借権または賃借権の設定を受けることもあります。

    この場合、無償の使用借権の設定を受けるのは、借りる側にとって大きなリスクがある点に注意が必要です。

    賃借権は、借地借家法によって保護されています。たとえば、建物の引渡しを受けていれば賃借権を第三者に対抗できます(同法第31条)。また、賃貸人(元配偶者)の側から賃貸借契約の更新を拒絶するには正当の事由が必要です(同法第28条)。

    これに対して、無償の使用借権については、借地借家法の保護が及びません。もし元配偶者が物件を第三者に譲渡すれば、当該第三者に対しては使用借権の存在を対抗できないため、物件を追い出されてしまいます。

    また、期間が満了すると使用貸借は終了するほか(民法第597条第1項)、期間を定めなかった場合でも、使用収益に足りる期間を経過すれば、貸主(元配偶者)は使用貸借契約を解除できます(民法第598条第1項)。

    このように、使用借権は非常に不安定な権利であるため、元配偶者から新築物件を無償で借りるのはリスクが高いことに十分ご注意ください。

    調停では、不動産に住み続ける側が、住宅ローンについて現実の支払いをし(履行引受)、完済時に登記を移転する方法をとることもあります。もっとも、新築の場合、残ローンも高額で、支払いも長期に及ぶ可能性があるため、別の方法についても検討が必要でしょう。

4、新築離婚を検討している場合は弁護士にご相談を

新築離婚をする際には、物件や住宅ローンをどのように財産分与するかが大きな焦点となります。ただし、法律上の注意点も多々存在するため、弁護士に相談すると安心です。

弁護士は、ご家庭の状況やご希望に応じて、依頼者に望ましい形で離婚を成立させるため、交渉や法的手続きの対応に尽力します。新築物件の建設中または購入後間もない段階で、配偶者との離婚をご検討中の方は、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

新築物件の建設中、または購入後間もない段階で夫婦が離婚する場合、どのように財産分与を行うかが重要なポイントです。

物件所有者を変更する際には住宅ローンの借り換えが必要な点、元配偶者から無償で物件を借りることはリスクが高い点など、多くの注意点が存在するため、弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所は、離婚・財産分与に関するご相談を随時受け付けております。新築物件の財産分与が問題となる離婚を検討しており、できる限り有利な条件で離婚を成立させたいとお考えの方は、お早めにベリーベスト法律事務所 立川オフィスにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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