顧問弁護士を雇う7つのメリットとは? 弁護士を選ぶポイントも解説
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最近ではB to Bの会社だけでなく、B to Cの業態の会社でも顧問弁護士を雇う会社が増えています。
リフォーム産業新聞等の業界記事においても、契約書が簡素であることが原因で、施主と法的トラブルに発展しやすいため、顧問弁護士に相談できる体制を整えておくことが推奨されています。
では、顧問弁護士を雇い入れることにより、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
1、企業に顧問弁護士が必要な理由
企業経営をしていると、さまざまな法的トラブルに直面します。そのようなときに心強い味方になってくれるのが顧問弁護士の存在です。では、企業が顧問弁護士を必要とするのはなぜなのでしょうか。
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(1)顧問弁護士とは
顧問弁護士とは、顧問契約を結んでいる企業に対して、法的アドバイスを行ったり法律相談を受けたりする弁護士のことです。顧問弁護士は何かあったときに気軽に相談できる、企業にとっての「かかりつけ医」のような存在なのです。
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(2)コンプライアンスを重視する風潮
顧問弁護士が必要とされる背景の一つに、社会的にコンプライアンスが重視されるようになったことがあげられます。2000年代以降、大手企業の粉飾決算や品質偽装などの不祥事が相次いだ時期がありました。そのため、世間では法令違反によるリスクを回避するために、コンプライアンス体制強化の重要性が叫ばれるようになったのです。
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(3)消費者や労働者の権利意識の高まり
また、最近では労使トラブルや消費者トラブルに関する法律知識がインターネットで手軽に手に入るようになり、消費者や労働者に権利意識が高まっていることも顧問弁護士が必要とされている理由のひとつです。労働者と使用者側でトラブルになったときや、消費者からクレームがあったような場合に、顧問弁護士がいれば、あらゆるリスクを想定しつつ、法律に基づき、顧問先の利益を実現できるように対応することができます。
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(4)グローバル化に伴う外資系企業との接点の増加
さらに、昨今ではグローバル化の波を受けて、外資系企業と取引やクロスボーダーM&A(国際間での取引のことであり、M&Aの当事者のうち、譲渡企業または譲受企業のいずれか一方が外国企業であるM&A取引のことをいいます)を行う企業も増加しています。その際、日系企業同士では起こりえないトラブルも想定されるので、予期せぬ不利益を被らないためにも、顧問弁護士をつけておくことが必要とされています。
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(5)中小企業は法務部門を設置する余裕がない
顧問弁護士の必要性が高まっているのは、日本の大多数を占める中小企業には法務部門を置く余裕がないことも理由にあげられます。社内に法務部門を置こうとすれば、担当者の雇用や教育に時間や労務コストがかかります。一方、弁護士と顧問契約を結べば、従業員を雇うほどのコストをかけずにリーガルリスク(法的紛争を原因として、企業が損失を負う危険性のことをいいます)から会社を守ることができます。
2、顧問弁護士に相談できること
では、顧問弁護士には具体的にどのようなことが相談できるのでしょうか。その例をみてみましょう。
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(1)契約書の作成・チェック
契約書の作成やチェックは、顧問弁護士の最もオーソドックスな業務です。企業活動をする上で、雇用契約やライセンス契約、業務委託契約などの契約締結は欠かせません。顧問弁護士は、自社に有利となる内容の契約書を作成したり、先方から送られてきた契約書に不利益になる点がないかチェックすることが求められます。
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(2)労働問題への対応
円満に辞めたはずの従業員から未払い残業代を請求する内容証明郵便が送られてきた、上司が部下にハラスメント行為をするなど、労働問題が生じたときには、顧問弁護士が会社側の窓口となって労働者に対応します。顧問弁護士が会社側と労働者側の間に入ることで、冷静になって交渉が進められることもあります。
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(3)取引先・消費者からのクレーム対応
きちんと検品して商品を出荷したつもりでも、「購入した商品に不具合があった」など、取引先や消費者からクレームを受けることもあるでしょう。しかしその際、特にクレーム対応が遅れると、SNSやインターネット掲示板で拡散され、あっという間に風評被害が広がる可能性もあります。顧問弁護士がいれば、問題が大きくなって紛争に発展する前にただちに対応にあたることができます。具体的には、誹謗中傷の書き込みが行われたサイトの管理者に対して削除依頼をしたり、誹謗中傷の書き込みを行った者に対して、損害賠償を請求したり、刑事上の処罰を求めたりすることができます。
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(4)刑事事件への対応
顧問弁護士は民事事件だけではなく、刑事事件にも対応します。たとえば「従業員が会社のお金を横領した」などの事件が起きると、マスコミに報道され、会社全体が社会的にも致命的な影響を受けてかねません。できる限り会社への被害を少なくするためにも、顧問弁護士が会社としてどう対応すべきかについてアドバイスをする役割を担っています。
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(5)売掛金の回収
「商品を納入したのに、支払期日になっても取引先が代金を支払ってくれない」というようなことが起こるケースも少なくありません。その際、経営者としては、「自分より規模の大きい相手方会社にクレームを言えば、次から仕事がもらえなくなるのでは」と不安になることもあるでしょう。そのときに、顧問弁護士が弁護士の名前を全面に出し、企業の代理人として交渉した方が相手方の企業にプレッシャーをかけることができ、任意の支払いに応じてくれる可能性が高くなります。また、相手方の企業が任意に支払う見込みがないような場合には、訴訟等の法的手続きを利用して回収することもできます。
3、顧問弁護士をつける7つのメリット
顧問弁護士をつけることで、経営者や会社全体にとって数々のメリットがありますが、ここでは代表的なものを7つあげて解説します。
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(1)優先的に相談できる
弁護士と顧問契約を結んでおけば、弁護士を一から探す手間が省ける上に、顧問契約を結んでいないクライアントよりも優先して対応してもらえます。そのため、ちょっとしたことを相談したいときに、すぐ電話やメール、もしくは対面で相談できることが顧問弁護士のメリットです。
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(2)リーガルリスクを早期発見・予防できる
顧問弁護士と日頃から悩みを相談してコミュニケーションを取っておくことで、取引や契約に潜むリーガルリスクを早期発見し、リスクが現実問題となることを予防できます。そうすると、無用な争いをなくすこともできるので、経営者は安心して会社経営に専念することが可能です。
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(3)トラブルへの対応
会社を長く経営していると、どれだけリスクを回避しようとしても、取引先が倒産したり、従業員から訴えられたり、といったトラブルが発生することも少なくないでしょう。そういうときに、顧問弁護士がいれば会社の内情をすでに把握しているので、一から説明しなくてもすぐにトラブルに対処してもらえます。
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(4)法務部門を持つよりコストが低い
会社が法務部門を立ち上げる際には、企業法務に精通した責任者を選任し、その下に担当者を複数名置くのが一般的です。しかし、特に中小零細企業では新たに法務部門の担当者の雇用にコストをかけられるところはそう多くはありません。その点、顧問弁護士をつければ、従業員を雇い入れるよりはるかに低コストで、リーガルリスクから会社を守ることができるのです。
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(5)法改正情報をキャッチアップできる
法律は毎年のように目まぐるしく変わりますが、改正点を逐一キャッチアップするのは法律に詳しくない方にとって非常に大変なことです。顧問弁護士がいれば、自分で法改正の情報を追いかけなくても常に最新の法改正情報を入手して、法改正に対応することができます。
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(6)対外的な信頼性が高まる
顧問弁護士を雇い入れると、会社のホームページや会社案内、名刺などに顧問先として担当弁護士の事務所名を掲載することができます。そうすれば、コンプライアンスを遵守していることを対外的にアピールでき、取引先や銀行からの信頼も高まります。また、顧問弁護士がつくことで、万一トラブルが発生しても会社側から真摯に対応してもらえることが期待できるため、従業員に安心感を与えることにもつながります。
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(7)プライベートなことも相談できる
顧問弁護士には、経営や取引のことだけでなく、プライベートにかかわる法律問題も相談することができます。たとえば、経営者自身が「夫婦関係がうまくいっておらず困っている」「相続対策をしたい」といった悩みを抱えているときにも、顧問弁護士がアドバイスしたり、他のしかるべき専門家を紹介したりします。また、顧問弁護士は、従業員の相談にも対応することも多くあります。
4、顧問弁護士を雇うデメリット
顧問弁護士を雇うメリットは数多くありますが、デメリットもあります。顧問弁護士を雇うデメリットとはどのようなものでしょうか。
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(1)ランニングコストがかかる
顧問弁護士を雇うと、月々の顧問料が発生するため、一定のランニングコストがかかります。業務内容により、3~5万円程度のところもあれば10~20万円程度のところもありますので、どれくらいの業務を依頼したいかを考えながら弁護士を選ぶとよいでしょう。
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(2)タイムチャージ制を利用するのもよい
「顧問弁護士は雇いたいが、あまり利用しないかもしれない」という場合は、タイムチャージ制を採用している顧問弁護士に依頼するのもひとつの方法です。タイムチャージ制とは、弁護士が業務に要した時間分だけ費用が発生するので、利用の仕方によってはトータルコストを抑えることができます。
5、顧問弁護士を選ぶ5つのポイント
顧問弁護士の必要性が理解できても、具体的にどう選んでよいかわからないこともあると思います。そこで、ここでは顧問弁護士を選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
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(1)利用頻度とコストが見合う
まずは、利用頻度とコストが見合う弁護士を選びましょう。優秀な弁護士をつけたいからといって、高い費用を支払ってもあまり利用しないのであれば採算が合わないでしょう。利用頻度が少なければ、できるだけ顧問料の安いところを探すのもひとつの方法です。
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(2)企業法務案件について経験豊富な弁護士
弁護士には、大きく分けて企業法務を専門にする弁護士と、離婚や相続といった個人の事件を専門にする弁護士の2パターンに分かれます。顧問弁護士を依頼する際は、企業法務案件について経験豊富な弁護士を選ぶと良いでしょう。自社の業界事情をよく知る弁護士であれば、なお心強いでしょう。
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(3)説明がわかりやすい
顧問弁護士を選ぶ際は、説明がわかりやすい弁護士を選ぶのもポイントです。たとえば、契約書の作成やチェックを依頼しても、どこに重点を置いたのか、どのような点に注意して作成やチェックをしたのか説明がなければ、取引先と交渉をすることができません。説明があっても、専門用語だらけで理解ができないようなら、意味がありません。そのため、リーガルリスクから会社を守るためにも、専門用語をかみ砕いてわかりやすく説明してくれる弁護士が顧問弁護士として望ましいです。
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(4)レスポンスが早い
経営判断はスピードが命なので、判断の遅れがそのまま企業の利益に影響を及ぼすこともあります。法的なアドバイスがほしいときに、迅速に連絡がとれてレスポンスが早い弁護士が顧問弁護士として望ましいです。
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(5)あえて厳しいことも言ってくれる
弁護士はサービス業のため、「顧問先にはできる限りのことをしたい」という気持ちはあります。しかし、だからといって顧問先のイエスマンになってしまっては、経営者が経営判断を誤ってしまい、後々トラブルになる可能性もゼロではありません。法的に見て、今後の見通しが厳しい場合は、顧問先にとって、あえて耳の痛いことも言ってもらえて、考えを改めさせてくれるような弁護士が顧問弁護士として望ましいです。
6、まとめ
企業を経営していて困ったことが発生したときに、顧問弁護士がいれば大きなトラブルに発展する前に問題を解決することができます。あらゆるリーガルリスクに対応するには、顧問弁護士の存在が欠かせません。
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