盗撮が見つかり逃げてしまったら、後日逮捕される? 今できることを立川の弁護士が解説

2018年11月26日
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盗撮が見つかり逃げてしまったら、後日逮捕される? 今できることを立川の弁護士が解説

東京都立川駅周辺では、JRや警察などが連携して痴漢盗撮撲滅キャンペーンを行うなどの取り組みがなされています。しかし、こういった取り組みがなされているということは、裏を返せば、痴漢や盗撮が多発しているということです。実際に、平成27年12月には警視庁の40代男性警部が立川周辺の駅で盗撮容疑によって逮捕され、大きく報道されました。

もし、駅などで女性のスカートの中を盗撮してしまい、盗撮を見つかったもののその場は逃げてしまったとき、どのようなことが起こる可能性があるのでしょうか?
盗撮は犯罪であり、逮捕され、前科がつく可能性もあります。

盗撮したことを反省し、罪を償いたいと思うのであれば、少しでも罪を軽くするためにできることがあります。それが、「示談」です。

今回は、弁護士が、盗撮で逮捕されたあとはどうなるかを解説するとともに、後日逮捕される可能性や、示談の方法まで解説します。盗撮してしまった家族の罪を少しでも軽くしたい、前科をつけたくないとお考えの方もぜひ参考にしてください。

1、盗撮が明らかになって後日、逮捕されることはある?

基本的な知識として、盗撮してしまったとき、どのような罪を問われることになるのでしょうか。あらかじめ知っておきましょう。

  1. (1)迷惑防止条例違反などに該当する

    盗撮行為は、「迷惑防止条例」(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)や「軽犯罪法」などの法令に違反したものとして検挙されることになります。しかし、盗撮した場所や対象などによって該当する法令は異なります。

    ●駅や電車などの公共の場所で、スカートの中などの画像を盗撮した場合
    「迷惑防止条例」違反に該当します。条例の内容は都道府県によって異なりますが、東京都における迷惑防止条例では、駅などでの盗撮行為についての罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と定められています。

    ●個人宅に忍び込む、のぞきをするなどをして裸などを盗撮した場合
    「軽犯罪法」で規定された「のぞき見」行為にあたるとされるため、軽犯罪法違反に該当します。処罰は、「拘留(こうりゅう)」または「科料(かりょう)」と比較的軽いものですが、実際に他人の住宅へ侵入していた場合は、住居侵入罪も成立するため、さらに罪が重くなる可能性が高いでしょう。

    ●映画館で上映されている映画を盗撮した場合
    国内における最初の有料上映から8ヶ月以内の映画を、有料で公開している映画館で動画撮影もしくは録音すると「映画の盗撮の防止に関する法律」違反に該当します。この法律は平成19年8月に施行されたもので、有罪となれば「10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金またはこれらの併科」が科されます。

  2. (2)後日逮捕されることもある

    盗撮現場において、盗撮行為の途中や直後に身柄を拘束されることが「現行犯逮捕(げんこうはんたいほ)」です。この場合、犯行が明らかであるため、逮捕状は要りません。

    一方、発行された逮捕状に基づき、犯行の後日に身柄を拘束されることを、「通常逮捕」と呼びます。逮捕状は、警察官や検察官などが請求して、逮捕の理由と逮捕の必要性が認められる場合に、裁判官が発行します。

    たとえば、駅での盗撮行為は、迷惑防止条例違反に該当する罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があります。よって、駅での盗撮が見つかったもののその場は逃げた場合で、かつ、被疑者に逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると裁判官が認めたときは、逮捕状が発行され、後日逮捕されることになります。

    最近は、防犯カメラなどの高性能化やICカードの入出場記録などから、個人の特定と証拠の収集が容易になりました。犯行時は逃げられたからといって、証拠により追跡がされる可能性があります。

2、盗撮が明らかになった場合にはどうなる?

では、盗撮で現行犯逮捕されずにその場は逃げたものの、盗撮が露見した場合、警察はどのように動くのでしょうか。

  1. (1)警察からの任意の呼び出しを受ける

    前述したとおり、盗撮をした後日になって逮捕されることもありますが、そう多くはありません。逮捕状を発行するためには、逮捕の必要性を裁判官に認めてもらうための手続きを行う必要があるためです。

    被害者からの盗撮被害の被害届が受理されると、まず警察は「被疑者」を特定します。逮捕状の請求をする前に、被疑者に連絡を取り、任意の「事情聴取(じじょうちょうしゅ)」を求めるケースが多いものです。あくまでも任意の呼び出しなので、警察からの呼び出しに応じないこともできます。

    しかし、もしあなたが盗撮していたのであれば、事情次第ではありますが、素直に罪を認め、任意の呼び出しに応じたほうがよいことが多いでしょう。事情聴取で罪を認め、反省の意を示すことで、逮捕の必要性がないと判断される可能性が高くなります。逮捕がされなければ、身柄の拘束をされないまま捜査が進む「在宅事件扱い」となります。逮捕はされなくても、捜査への協力は必要ですが、「留置場に入れられてしまい、仕事や学校へ行けない」という事態は回避できる可能性があります。

    呼び出しでの発言等は、重要な証拠として扱われる可能性があります。呼び出しの対応について、事前に弁護士に相談することが有用です。また、ひとりで事情聴取へ出向くことに不安がある場合は、弁護士に同行を依頼することが可能です。理不尽な状況に陥ってしまう可能性を回避したい場合も、弁護士に同行を依頼することをおすすめします。

  2. (2)悪質な場合は自宅などで逮捕されることも

    防犯カメラの映像や、多数の目撃証言がある等、疑われるのに相当な証拠があるのに、捜査を拒み続けたり無視したりすると、「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」と判断されてしまうかもしれません。この場合には、逮捕状が発行されて、自宅へやってきた警察に身柄を拘束されてしまう事態となりかねません。

    逮捕されてしまうと、最長23日間もの間、留置場などで身柄を拘束され続けてしまう可能性があります。

    盗撮で逮捕される可能性があるケースは、以下のとおりです。

    • 捜査協力を拒んだ
    • 盗撮の手口が悪質であると判断された
    • 盗撮の常習だと判断された

3、罪を軽くする方法は?

軽い気持ちで盗撮行為をしてしまったとしても、「逮捕」という事態になれば、相当な社会的影響があることは想像できることでしょう。では、少しでも拘束されている期間を短くしたり、罪を軽くしたり、前科がつかないようにしたりする方法はあるのでしょうか。

  1. (1)被害者との示談を成立させる

    盗撮をした場合でも、被害者との示談が成立していれば、不起訴になり、前科がつくことを回避できる可能性が高くなります。

    「示談(じだん)」とは、事件を当事者同士で解決を目指す話し合いを指します。加害者は被害者に謝罪と賠償金を支払い、被害者に「宥恕(ゆうじょ)文言」を明記してもらうことが一般的です。「宥恕(ゆうじょ)文言」とは、「もう許した、処罰は望まない」という意味の言葉です。

    初犯だったケースでのほか、再犯だったケースにおいても、被害者との示談が成立し、示談書に「宥恕(ゆうじょ)文言」があれば、不起訴となる可能性は高くなります。警察や検察は、被害者が加害者に対して「処罰してほしい」と望んでいるかどうかを重視する傾向があるためです。

    被害者との示談を成立させることは、盗撮事件においては非常に重要な意味を持ちます。ただし、盗撮した本人は、基本的に被害者の連絡先を知ることはできません。そのため、一般的には、改めて弁護士を依頼して、弁護士が警察や検察官から被害者の連絡先を聞き、示談交渉を行い、示談を成立させることになるでしょう。

  2. (2)弁護士に相談する

    弁護士に相談することが、少しでも罪を軽くするために行える、もっとも確実な手段です。拘束されている期間を短くしたり、自首や被害者との示談をしたりするだけでなく、それぞれのケースに応じたアドバイスをすることや、家族との橋渡しもできます。

    逮捕された場合でもその影響を最小限にとどめることができる働きができるのは弁護士だけです。

4、まとめ

ここでは、駅などでの盗撮を見つかったもののその場は逃げてしまった場合、今後どのようなことが予想されるのかについて解説しました。

被害者から被害届が出された場合には、任意の呼び出しによる取り調べのために、任意同行を促されることや、悪質な盗撮などには後日逮捕もありえるでしょう。しかし、盗撮による刑を軽くしたい、身柄を拘束されると困る、前科をつけたくないとお考えであれば、いち早く被害者との示談を成立させる等の対応方法があり、具体的な事情を前提に、弁護士がアドバイスをします。

これらの方法は、状況を適切に判断してスムーズに行うことで功を奏します。それを実現できるのは、弁護士に相談・依頼したときです。早期に弁護士に相談・依頼することで、不起訴となり前科がつかないようにする可能性もあるでしょう。また、起訴されても執行猶予にできる場合があります。

盗撮は、一時の過ちであっても、社会的に将来にわたって多大な影響を及ぼします。逮捕によって身柄を拘束されてしまえば、なおさらです。

あなたやあなたの将来を守るため、ベリーベスト法律事務所立川オフィスの弁護士は尽力します。ご自身やご家族のためにも、早めに依頼して、これからのことを考えていきましょう。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています