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児童ポルノを所持すると、どんな罪に問われる? 逮捕はされるのか

2021年10月04日
  • 性・風俗事件
  • 児童ポルノ
  • 所持
児童ポルノを所持すると、どんな罪に問われる? 逮捕はされるのか

令和元年の警視庁の統計によると、令和元年度に東京都において児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童買春・児童ポルノ禁止法」と呼びます)で検挙された件数は、383件ありました。検挙された人員280人のうち、269人が男性による犯行であったことからすると、男性による犯行が圧倒的に多い犯罪であるといえます。

児童買春・児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの単純所持を取り締まりの対象にしています。インターネットを利用することによって誰でも簡単にアダルト画像や動画を入手することができるようになってきましたが、入手した画像や動画が児童ポルノに該当する場合には、児童買春・児童ポルノ禁止法によって処罰される可能性もあります。

今回は、児童ポルノを所持した場合の罪と逮捕の可能性について、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスの弁護士が解説します。

1、児童ポルノの所持は罪に問われるのか

平成26年の児童買春・児童ポルノ禁止法の改正によって、児童ポルノの単純所持についても取り締まりの対象となりました。以下では、児童ポルノの単純所持の罪について説明します。

  1. (1)児童ポルノとは

    児童ポルノとは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他のものであって、以下の児童の姿態を視覚により認識することができる方法によって描写したもののことをいいます(児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項)。

    1. ① 児童を相手方とするまた児童による性交または性交類似行為に係る児童の姿態
    2. ② 他人が児童の性器などを触る行為または児童が他人の性器などを触る行為にかかる児童の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するもの
    3. ③ 衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出されまたは強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させまたは刺激するもの


    法律上の定義は複雑な記載で分かりにくい部分もありますが、簡単にいえば、18歳未満の児童のわいせつな写真や動画を児童ポルノといいます

    児童ポルノの対象には、印刷された写真だけでなくデータについても対象となっています。しかし、アニメや漫画などの創作物については、児童の性交や性的な部位が露出されていたとしても児童買春・児童ポルノ禁止法上の「児童ポルノ」には該当しません(ただし、刑法上の「わいせつな文書、図画、電磁的記録」(刑法175条参照)に該当する可能性がありますので注意が必要です)。

  2. (2)児童ポルノの単純所持とは

    従来の児童買春・児童ポルノ禁止法は、児童ポルノを供給する側を中心に処罰の対象としていましたが、供給側を対象にするだけでは児童ポルノを根絶することができない状況となってきたことを受け、平成26年の法改正によって児童ポルノの単純所持も処罰対象に含まれることになりました。

    児童ポルノの単純所持は、単に所持しているだけでは処罰の対象ではなく、自己の性的好奇心を満たす目的で所持していることが必要になります

    そのため、親が子どもの成長記録として入浴中の写真や水着の写真を持っていたとしても、通常は性的好奇心を満たす目的は認められないため、児童ポルノの単純所持は成立しません。

    児童ポルノの単純所持罪の法定刑は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と規定されています。

2、単純所持罪以外の児童ポルノ関連の罪

児童買春・児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの単純所持以外にも以下のような態様を処罰の対象としています。

  1. (1)児童ポルノの製造

    動画撮影などの方法によって児童ポルノを製造した場合には、児童ポルノの製造罪として処罰されることになります(児童買春・児童ポルノ禁止法7条4項)。SNSなどで知り合った児童に対して児童ポルノに該当するような写真や動画の撮影を頼み、送信してもらうなどの行為も児童ポルノの製造にあたります。

    児童ポルノの製造罪の法定刑は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金と規定されています。

  2. (2)児童ポルノの提供・陳列

    児童ポルノを第三者に提供した場合には、児童ポルノの提供罪として処罰されることになります(児童買春・児童ポルノ禁止法7条2項)。児童ポルノの提供罪の法定刑は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金と規定されています。提供目的の児童ポルノ所持は、単純所持の規定ではなく、児童買春・児童ポルノ禁止法7条3項によって、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されることになります。

    児童ポルノを特定の第三者ではなく、不特定多数者に提供し、または公然と陳列した場合には、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはこれらを併科されるというより重い罰則が適用されます。たとえば、インターネット上に児童ポルノに該当する写真や動画をアップロードしたというような場合には、同罪によって処罰されることになります

  3. (3)児童ポルノの製造目的の盗撮

    ひそかに児童の裸や性的な部位などを撮影した場合には、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます(児童買春・児童ポルノ禁止法7条5項)。「ひそかに」とは、描写の対象となる児童に知られることのない態様で行うことをいい、トイレや更衣室に隠しカメラを設置して盗撮する場合が典型的なケースです。

3、児童ポルノ所持で逮捕される?

児童ポルノを、自己の性的好奇心を満たす目的で所持するだけでも児童ポルノ単純所持罪に該当しますが、児童ポルノ単純所持で逮捕されることはあるのでしょうか。

  1. (1)逮捕とは

    逮捕とは、犯罪を行った疑いのある者(被疑者)の身体を警察署の留置施設に留め置く処分のことをいいます。逮捕をすることができる場合については、刑事訴訟法に明確に要件が規定されており、罪を犯したと十分に疑われるなどの嫌疑の相当性があり、逃亡のおそれまたは罪証隠滅のおそれがあるなど逮捕の必要性があることが必要になります。

    逮捕には、主に、逮捕令状に基づいて行わる通常逮捕と、犯行直後に逮捕状なしで行う現行犯逮捕の2種類があります。児童ポルノの単純所持の事案では、通常逮捕のケースが多いでしょう。

  2. (2)児童ポルノの単純所持で逮捕される可能性はあるのか

    児童ポルノの所持が発覚するきっかけとしては、以下のようなケースが考えられます。

    • 警察のサイバーパトロールによって児童ポルノサイトからのダウンロードが判明した場合
    • 児童が補導されたり、児童の親からの通報によって判明した場合
    • 児童ポルノサイトが摘発されて、警察が顧客名簿を入手した場合


    上記のようなケースで、児童ポルノの単純所持の疑いが生じた場合、捜査機関において捜査が進められることになりますが、捜査のため、家宅捜索が行われてパソコン、スマートフォン、ハードディスクなどが差押えられたり、逮捕されたりする場合もあります。

  3. (3)逮捕された後の流れ

    警察に逮捕された場合には、警察署内の留置場に身柄拘束をされ、警察官による取り調べを受けることになります。

    警察は、逮捕から48時間以内に、検察に被疑者の身柄を送致し、送致を受けた検察は、そこから24時間以内に勾留をするかどうかを判断します。検察が引き続き身柄拘束の必要性があると判断した場合には、裁判所に対して勾留請求がなされて、裁判所が許可をすれば勾留されることになります。勾留期間は10日間ですが、検察官が勾留延長の請求をし、裁判所がこれを認めれば、さらに最大10日間の延長が可能です。

    検察官は、勾留の満期までに起訴または不起訴の判断をしなければなりません。
    児童ポルノの単純所持の事案では、事案の軽重にもよりますが、略式起訴により罰金刑になる可能性もあります。

4、児童ポルノについてトラブルがある方は弁護士へ

児童ポルノについてのトラブルがある方は、弁護士に相談をすることをおすすめします。

  1. (1)警察署への自首同行

    児童ポルノの単純所持の事案では、児童ポルノ画像の消去や記録媒体を破壊することによって容易に証拠の隠滅をすることができてしまいますので、そのような罪証隠滅行為を防止するために、突然自宅に警察がやってきて捜索を行い、逮捕されてしまうということもあります。

    そのため、もしご自身が児童ポルノの単純所持をしてしまった場合には、逮捕を回避するため、捜査機関に犯罪が発覚する前に自首をし、捜査に協力する姿勢を示すことも検討すべきでしょう。

    どのような場合に自首をするか、および自首の時期などについては難しい判断になりますので、事案の内容を詳しく説明しながら弁護士と一緒に相談をして決めるとよいでしょう。弁護士に依頼して自首を行う場合には、自首に際して弁護士に同行してもらったり、逮捕しないよう捜査機関に申し出たりしてくれることが期待できます。

  2. (2)被害者との示談

    児童ポルノの単純所持では、児童の健全な育成という社会的な法益が保護法益となっていますので、傷害事件等の被害者が存在する事件とは異なり、被害者(の保護者)との示談は、検察官が起訴・不起訴の処分を決めるにあたって、必ずしも傷害事件等と同様に扱われるというわけではありません。

    しかし、実務上は、被害児童が特定されている事件で、示談をすることができれば、最終的な処分にあたっては有利に働くことになります。児童ポルノの事案では、被害者は18歳未満ですので、示談交渉の相手方としては被害者の児童の両親となることが多いでしょう。

    自分の子どものわいせつな写真や動画を見られた親としては、被疑者に対して強い処罰感情を有していることが通常です。そのため、被害者との示談は、被疑者本人ではなく、専門的知識と経験を有する弁護士に依頼して行うとよいでしょう

5、まとめ

自己の性的好奇心を満たす目的で18歳未満の児童のわいせつな写真や児童ポルノ動画をダウンロードして保存するだけで、児童ポルノの単純所持罪が成立してしまいます。また、インターネットやSNSを用いることによって、児童ポルノや児童ポルノを掲載するサイトにアクセスしやすくなったためか、安易に児童ポルノを所持してしまうこともあり得ます。

児童ポルノに関することで不安がある方は、早めに対処することが重要です。その際には、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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