【前編】奨学金の返済で困ったらどうする? 破産を考える前に弁護士へ相談を!
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立川市だけでなくその他地方自治体も同様もしくは似た内容の意見書を提出していますが、それだけ大学教育など学費にかかる金額の負担は大きいのです。実際に、立川市議会は平成26年に、高校や大学の学費の給付制奨学金や学費無償化を実現することを求める意見書を国や国会議員に提出しています。
このように大きな負担となる学費をまかなうために、奨学金を借りられる方も多いのが実情です。しかしながら、返済を前提とする奨学金で借りていた金額が大きいときには、1ヶ月で返済しなければいけない金額も大きくなるため、返済が滞ってしまったり、返済自体が難しくなることもあります。
返済が難しくなったとき、自己破産などは可能なのか、また、どこに・どのように相談するべきなのかを、奨学金を借りている方に向けて立川オフィスの弁護士が説明します。
1、奨学金の多くは返済が必要な借金
奨学金は主に専門学校や大学進学などに必要な金額を援助してもらえる制度です。平成30年12月の時点では貸与型と給付型があり、貸与型は返済が必要となります。
奨学金は貸与型が一般的で、貸与型であれば借金となります。貸与型では、通常、貸し付けの終了一定期間後から返済が始まります。毎月の返済額は、どの機関から奨学金を借りているか、また、借りている合計金額によって異なり、日本学生支援機構であれば毎月の返済額が1万円から5万円ほどのケースが多いようです。
日本学生支援機構の場合、返済は奨学金の貸与が終了して、7ヶ月後から始まります。大学卒業後に就職が決まらなかった場合等には、奨学金の返済が難しくなってしまいます。
また、初任給の金額によっては返済が困難になるケースもあります。立川市公務員の一般行政職(大卒初任給)を例にあげると、平成29年4月1日時点では18万2700円です。また、総務省調査では平成28年の単身世帯の生活費平均は15万8911円となっています。
ひとり暮らしをしているのであれば、平均的な初任給でも奨学金の返済が難しくなることも少なくないといえるでしょう。
2、奨学金の返済が遅れそうなときは相談を
奨学金の返済が厳しい状況に陥った場合、まずは返済先に相談をしてみましょう。
基本的には返済が難しい状況であれば返済を待ってもらうことができます。日本学生支援機構の場合本来5年間で定められた金額を返済しますが、それが難しければ減額や期間延長などの対応をする場合があります。しかし、いずれも返済する総額が減るものではなく、全額を返済する必要があります。
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(1)日本学生支援機構の返済困難時の対応
日本学生支援機構の奨学金の返済が難しくなった場合、下記の手続きをとることで、支払いが減額されたり、支払いが猶予されたりできる可能性があります。督促の電話が来たのに放置して延滞が続くと、債権回収会社へ対応が引き継がれるため、さらに督促が厳しくなる可能性があります。放置せずに必ず対策をとりましょう。
●減額返済
一定の場合に、毎月の返済額を減らしてもらえる制度です。5年の返済期間が最大で15年となります。収入があり、毎月の返済額が減ることで返済のできる方向けの対処法です。ただし、すでに延滞している分には適用されませんので、延滞がある場合は次の返還期限猶予を利用しましょう。
●返還期限猶予
一定の場合に、一時的に返済を止め、その期間分から返済までの期間を延長するものです。最大で10年分まで延長可能な制度です。 -
(2)相談時の注意点
返済が困難と感じた時点ですぐに相談することが大切です。ただし、誰でもどのような状態でも必ず減額される、あるいは一時的に返済を待ってもらえるとは限りません。日本学生支援機構では世帯収入の提出などの条件があり、マイナンバーカードの提出が必要です。実際には返済できる十分な収入はあるにもかかわらず、浪費や他の借金返済が多いなどの状態では認められないこともあります。
3、機関保証を受けていた場合も返済は必要
奨学金を受ける際に連帯保証人や保証人を立てられなかった方は機関保証を利用しているケースがあります。日本国際教育支援協会などの保証機関が代理となるため保証人などが不要となりますが、保証人がいないからといって返済をしなくてよいわけではありません。
奨学金の返済が遅れることで保証機関がいったん立て替えますが、その後保証機関から立て替え分の金額を請求されます。そして、立て替えが行われた時点で「信用情報機関」に立て替えしていることの情報が記載されることになるでしょう。また、機関保証を利用していない場合でも返済が3ヶ月以上遅れるとその情報が記載されることが公表されています。
信用情報機関とは、クレジットカード発行審査やローンを申し込みするときに審査する会社が参考にする情報のことです。信用情報機関に支払いの遅れなどの情報があると住宅ローンやクレジットカードの金融審査が通らなくなってしまいます。
それでは、どのように解決すればよいのでしょうか。後編では引き続き、立川オフィスの弁護士が、どうしても奨学金が返せなくなったときにできる、自己破産などの対応について、さらに詳しく解説します。
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