【後編】奨学金の返済で困ったらどうする? 破産を考える前に弁護士へ相談を!
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高校大学の学費問題は、立川市でも変わりなく起きています。奨学金という名前ではありますが、貸与型であれば実質的には借金であり、どうしても返済ができなれば破産を考える必要性があるでしょう。そこで前編では、奨学金の返済が苦しいと感じたときにまず行うべき対応を中心に説明しました。
後半では、どうしても返済の見通しが立たないときにできることについて、立川オフィスの弁護士が解説します。借金問題は個人的な問題かもしれませんが、ひとりで抱え込んでいても解決しません。まずは弁護士に相談してください。
4、奨学金返済の見通しが立たない場合
奨学金の減額や期限猶予が条件、延長上限の関係で受けることができなくなった場合や、減額や期限延長を受けていても返済ができなくなってしまった場合もあるかもしれません。
たとえば、生活自体が困難で消費者金融などから借り入れた借金も返済が滞っている、あるいはクレジットカード利用代金の支払いができていない状態になっているなど、奨学金以外でもお金に関する問題が発生しているケースは特に深刻です。このように奨学金がなかなか減らない場合、今後も返すことができそうにない場合には自己破産、または任意整理や個人再生といった債務整理などをするのも選択のひとつです。
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(1)自己破産とは
返済が困難になっている方が自分の財産を返済に充てて、借金の返済を免除される手続きを自己破産といいます。自己破産は裁判所に申し立てなければなりません。
自己破産は免責手続きにより借金の返済義務する必要がなくなることがメリットです。自己破産の手続きを行うと督促連絡も止まるので借金に悩むことがなくなることから、ずっと抱えていた重荷から解放されて精神的にも楽になる方も少なくありません。
しかし、信用情報機関に自己破産した情報が記載されるので将来住宅を購入する際に住宅ローンの審査に通らない、などの弊害があります。また、財産を手放さなければならないので、自宅や車を所有している場合は財産を失ってしまう可能性があります。ただ、財産といっても持っているすべてを手放すわけではなく、家電など日常生活に使用するものは残すことができます。
さらに、官報に名前が記載されたり、一部の職業では続けたり就職ができなくなってしまうなどの影響も考えられます。また、自己破産をした本人自体は返済義務がなくなりますが、連帯保証人の返済義務は変わりません。つまり、家族や親族が連帯保証人になっている場合には、奨学金を借りた本人が自己破産することで連帯保証人へ請求がいくことになります。 -
(2)任意整理とは
任意整理は、今後発生する利息や遅延損害などをなくして期間を定めての支払いをするなど、毎月の返済額を本来より減らすように交渉する方法です。
自己破産は裁判所を通して手続きしますが、任意整理は奨学金などを借りている相手と借りた本人や弁護士とのやりとりで裁判所による手続きは必要ありませんし、官報にも掲載されません。ただし、信用情報機関には任意整理をしたことは記載されます。
自己破産と比較した場合、自分の財産を手放さなくてもよい点が特徴です。また、自分の返済可能な範囲で返済相手に交渉するので、自己破産と同様に精神的な負担が少なくなる傾向にあります。それでも、自己破産や個人再生と比較すると借金の残高が多くなる傾向があります。
返済相手との交渉になるため、収入の見込みがないと話し合いを進めること自体が難しくなる場合もありますので、安定した収入があることが前提となります。 -
(3)個人再生とは
個人再生は任意整理と同様に借金の減額や支払期間の短縮などを裁判所に申し立てる手続きです。
一般的に任意整理よりも借金の金額が減る傾向にあり、自己破産とは異なり財産を手放すことなく借金減額の手続きが可能です。個人再生も信用情報機関へは掲載され、官報に掲載となります。また、任意整理と同様に収入が安定している必要があります。
5、奨学金などで破産を検討したら弁護士へ相談を
奨学金の返済や他の借金の返済が苦しくなった方は、まずは弁護士に相談されることが良いでしょう。弁護士は任意整理だけでなく個人再生や自己破産など、さまざまな対処法を比較した上で、最適な方法をアドバイスします。
どの手続きも個人で行うことは可能ですが、手続きが煩雑ですし何より大きなストレスになります。奨学金や借金の返済で悩まれていると、ちょっとした事務手続き、電話のやりとりも大きな精神的負担になりかねません。
しかし、弁護士に依頼すれば、弁護士が各機関に受任通知を送付した時点で、督促の電話がされることもありませんし、返済する必要も一時的になくなります。つまり、借金・奨学金問題の苦しみから解放されることになります。
その後、無理なく返済できる程度まで借金が減額される、もしくは全額支払う必要がなくなるため、新たに人生をやり直すことができるでしょう。個人の信用情報に記録されますし、今後のローンやクレジットカードの契約には制限がついてしまいますが、目先の奨学金や借金問題を解決することが先決です。信用情報は通常5~6年で記録が抹消されますので、しばらくすればあなたの信用情報もきれいになるはずです。
今の奨学金や借金の返済で一切の余裕がない状態から抜け出すためには、借金問題に対応した経験が豊富な弁護士に頼ることをおすすめします。
6、まとめ
毎月の生活が返済に追われて困っている方が自己破産や任意整理、個人再生などを行うことで生活を立て直すケースは少なくありません。奨学金の返済が厳しくなり、督促される毎日を送っていると精神的に追い詰められてしまいますので、まずは弁護士に相談しましょう。
ひとりで抱え込まず、まずはベリーベスト法務事務所・立川オフィスへ相談してください。奨学金問題に対応した実績が豊富な弁護士が、状況を確認した上で、最適な対策を親身になってアドバイスします。
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