借金の返済に困ったときの対処法とは? 立川の弁護士が解説!

2020年09月01日
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借金の返済に困ったときの対処法とは? 立川の弁護士が解説!

複数の金融業者からお金を借り入れ、あるいは借金返済のために別の業者からお金を借りて借金が増えてゆく状態を、「多重債務」といいます。

国民生活センターの発表によれば、令和元年度の多重債務の相談は令和2年3月31日現在で2万1746件にも上りました。こうした現状もあって、立川市の消費生活センターでも多重債務などの相談を受け付けています。

今回は借金問題にお悩みの方に向けて、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスの弁護士がケースごとの対処法を解説します。

1、借金が返せないときの対処法

「借金の額が膨らんで何から手を付けていいのかわからない」という方、返済に焦って、さらに借金を重ねてしまう方など借金でお困りの方はいらっしゃると思います。しかし、ひとりで多額の借金を解消しようとすることは難しいケースがほとんどです。

まずは借金を整理して、生活を立て直すほうがよいのではないでしょうか。借金の整理方法は主に3つあります。

  1. (1)任意整理・過払い金請求

    任意整理は、個別に債権者と話し合い、返済計画を改めて練り直して、場合によっては借金の元本や利息を減らしてもらう手続きです。

    裁判所と関わらないで当事者同士で手続きができるため、比較的簡易であるという特徴があります。借金の額がそれほど高額ではないものの、このままでは返しきれない、という場合に利用される手続きです。

    また、長年借金を払い続けている方の場合、払い過ぎた利息分の返還を「過払い金」として請求できるかもしれません。

    「過払い金」とは、出資法で定められていた刑罰の対象となる上限金利と、利息制限法に定められた制限利息との間に、開きがあったことで生じた差額のことです。これまでの借入金額および返済額を、計算し直すことで、払い過ぎた利息を請求することができます。このような過払い金が発生している場合には、現在の借金に過払い金を充当することもでき、これを利用して借金を返済することも可能です。

    なお、過払い金の請求は最終支払日から10年が経過してしまうと時効が成立してしまいます。心当たりのある方は、早急に弁護士に相談してください。

  2. (2)個人再生

    個人再生は民事再生法に定められる手続きで、任意整理よりも大幅に借金を減らすことが可能です。住宅などの財産を維持したまま減額された借金を返せばよく、就業に対する資格制限もないというメリットがあります。ただし、裁判所が関わるため、手続きが複雑になることに注意が必要です。

    なお、個人再生は借金の総額が5000万円未満の方が対象で、借金の総額に応じた最低弁済額を決めて返済計画を立て、原則3年間で分割して返済する制度です。そのため、継続して収入を得る見込みがある方が利用される手続きです。

  3. (3)自己破産

    自己破産は、裁判所で、ほとんどの債務を免除してもらう手続きです。裁判所に破産の申し立てを行い、最低限の財産以外はすべて換金して返済に充てることで、残りは免責されます。

    借金が高額で返済できる見込みがなく、自宅や車など、手元に残すべき財産がない方に向いている手続きです。なお、借金の原因が浪費などの場合は免責不許可事由となり、自己破産が認められない場合があるので注意が必要です。

2、対処法ごとのメリット・デメリット

任意整理、個人再生、自己破産には、それぞれメリットとデメリットがあります。借金の額や状況に応じて、最適な方法を選択するためにも、これらをしっかりと理解しておく必要があります。

  1. (1)任意整理

    任意整理のメリットとしては、私的な手続きであるため裁判所へ足を運ぶ必要がありません。またご家族に知られることなく進めることができます。加えて、いろいろな金融業者からお金を借りている場合は、借金を整理する業者を自分で選ぶことができます。

    デメリットは、任意整理を行ったことが信用情報機関などへ登録され、一定の期間は新たに借金やクレジットカードの申し込みができなくなるという点です。

  2. (2)個人再生

    個人再生のメリットは、住宅などのほか、一定の財産を手元に残すことができる点です。また、任意整理よりも減らせる借金の額が多いという点もあります。

    デメリットは、任意整理と同様、新たな借金やクレジットカードの申し込みが一定期間制限されることです。さらに、個人再生の場合は官報に名前が掲載されること、裁判所から自宅へさまざまな書類が届き、ご家族に知られてしまう可能性が高くことも挙げられます。

  3. (3)自己破産

    自己破産のメリットは、税金などを除いてほぼすべての債務を帳消しにできることと、差し押さえなどの強制手続きを避けることができることです。また、破産といっても、一定の額の貯金や生活に必要な最低限の財産は手元に残すことが可能です。

    デメリットは借金が一定期間できなくなることや、免責が決定されるまで公認会計士や弁護士などの一部の職業に就けなくなることが挙げられます。また、個人再生と同様に、住所氏名が官報に掲載されます。

3、借金問題は弁護士に相談を!

借金は債務者の状況に応じて、ベストな対処方法が異なります。

まずは弁護士に相談してみてください。状況とご希望に即したベストな手続きをアドバイスしてもらえます。

また、弁護士に債務整理を依頼することには、業者などからの督促が止まるほか、以下のような利点があります。

  1. (1)借金減額の示談交渉

    任意整理の場合には、金融業者などの債権者に対して借金や利息を減らしてくれるよう交渉しなくてはいけません。しかし、債務者本人が話し合いをしようとしても、債権者が応じてくれないケースは少なくありません。

    そんなときでも弁護士に一任すれば、専門的な観点から借金返済の現実性などを示すことができるため、交渉がまとまりやすくなります。

  2. (2)複雑な手続きの代行

    個人再生や自己破産は裁判所が関与する手続きであり、必要な資料や手続きがかなり複雑です。そのため、債務者が自分ひとりの力で申し立てを行い、手続きを進めるのは困難です。

    弁護士はそのような法的な手続きの専門家なので、債務者が必要な手続きをわかりやすく教えてもらえます。また、債務者の代理人として、状況に即した適切な対応をしてもらえます。時間や労力を大幅に削減できて、生活の再建に専念できるというメリットがあります。

  3. (3)過払い金の有無のチェック

    平成22年の貸金業法や出資法の改正により、過払い金の生じる原因であった「グレーゾーン金利」や「みなし弁済」は消滅しています。また、平成18年に最高裁判所が利息制限法に違反した金利を無効と判示したことを踏まえ、ほとんどの金融業者が平成20年頃までには利率を引き下げました。したがって、平成20年以降に借りたお金の金利に関しては、過払い金が生じることはまず考えにくいといえます。

    ただし、過払い金の返還請求権が時効によって消滅するのは完済時から数えて10年後、もしくは、権利を行使できると知ったときから5年後ですので、まだ請求できる可能性はあります。これらは弁護士に依頼することで、過払い金請求の対象であるのかどうかを確認してもらえ、必要に応じて時効を阻止することが可能になります。

    長年借金を返している方は、すぐに弁護士に相談しましょう。

4、まとめ

複数の金融業者からお金を借りると、どこからいくら借りたか、金利はどのくらいなのかといったことがわかりにくくなります。返済が追いつかなくなれば金利によって借金の総額が雪だるま式に増え、どうすればいいのか対処法が思いつかないといった状況に陥ることもあるでしょう。しかし、借金を返済して生活を立て直すためには、早めの対処が重要です。

借金問題でお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスの弁護士にお気軽にご相談ください。債務整理の方法や費用など、わかりやすく丁寧にお伝えしながら、お悩みを解消するためのアドバイスを行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています