ソシャゲ課金で借金! 滞納するリスクと完済するための対処法
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2020年度に東京都立川市・同市の消費生活センターに寄せられた消費生活相談は1576件で、前年の1539件より微増する結果となりました。
近年増加する消費者問題のひとつに、スマートフォンのソーシャルゲーム(ソシャゲ)のガチャを引くために大金をアプリ課金に投じ(廃課金とも呼ばれる)、借金にまで発展するというケースがあります。
借金は返済を滞納すると、債権者に訴訟を提起され、最終的には強制執行によって財産を失ってしまうリスクがあります。借金の滞納が深刻な状況に陥る前に、債務整理について弁護士に相談するなどの対策が必要です。
今回は、アプリ課金が原因で借金をしてしまった場合のリスクや完済するための対処法(債務整理)について、ベリーベスト法律事務所 立川オフィスの弁護士が解説します。
出典:「オープンデータ統計年報・市民生活(住宅、市民相談、自治会など)」(立川市)
1、借金を滞納するとどうなる? 債務者が抱えるリスク
借金の返済を滞納した場合、債務者は以下のリスクを抱えることになります。
- ① 残債の一括返済を請求される
- ② 遅延損害金が発生する
- ③ 訴訟(裁判)を提起される
- ④ 強制執行により財産を失う
いずれも生活の破綻につながる可能性が高いため、滞納状態が深刻化する前に弁護士へ相談することをおすすめします。
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(1)残債の一括返済を請求される
金融機関(債権者)と締結した金銭消費貸借契約の内容によりますが、債務者が、月々の返済を2回または3回滞納した場合、その残債について、期限の利益を喪失するのが一般的です。
期限の利益を喪失した場合、債務者は、債権者から残債の一括返済を求められてしまいます。残債の一括返済を請求された場合、その全額を支払うことは不可能なケースが大半です。
一括返済できないと、最終的には自己破産以外の選択肢が事実上なくなってしまうため、期限の利益を喪失する前に任意整理など何らかの対策をとる必要があります。 -
(2)遅延損害金が発生する
残債の一括返済を請求されるかどうかにかかわらず、借金の返済を滞納すると、返済期日の翌日から遅延損害金が発生します。
遅延損害金は、通常の利息よりも高率に設定されるのが一般的であり、滞納が長引けば長引くほど、返済額が増えてしまいます。 -
(3)訴訟(裁判)を提起される
借金の返済を滞納し続けていると、債権者が裁判所に対し、貸金返還請求訴訟を提起して、本格的に債権回収へ乗り出す可能性が高いです。
貸金返還請求訴訟が提起されると、裁判所から債務者に対して、訴状と期日呼出状が送達されます。債務者が裁判所からの呼び出しを無視して訴訟期日を欠席し続けると、債権者の主張を全面的に認める認容判決が出てしまいます。 -
(4)強制執行により財産を失う
訴訟で債務者敗訴の判決が確定すると、債権者は裁判所に強制執行を申し立てることができます。
強制執行は、債務者の財産を差し押さえて、強制的に債権の弁済に充てる手続きです。不動産などの資産や預貯金だけでなく、給与債権の一部も差押えの対象になります。
強制執行により財産を失ってしまうと、生活に大きな影響が生じることは避けられません。このような事態に陥る前に、弁護士へご相談の上で債務整理などを行うことをおすすめします。
2、アプリ課金の借金を完済するための対処法
スマホアプリへの課金が原因で借金を作ってしまった場合、借金解消に向けて以下の対応を行いましょう。
- ① 債務の状況を正確に把握する
- ② 返済計画を立ててみる
- ③ 弁護士に相談して債務整理を検討する
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(1)借金の状況を正確に把握する
借金についての今後の方針を決めるためには、まず借金の状況を正確に把握する必要があります。具体的には、どの金融機関・貸金業者からどのくらいの金額を借りているのかを調べた上で、リストにまとめましょう。
借金の残高については、借入先の金融機関・貸金業者に依頼すれば残高証明書などを送付してもらえます。借入先がわからない場合は、個人信用情報機関(KSC・JICC・CIC)に対して信用情報の照会を行いましょう。
参考:「本人開示の手続き」(一般社団法人全国銀行協会)
参考:「開示を申し込む」(株式会社日本信用情報機構)
参考:「情報開示とは」(株式会社シー・アイ・シー)
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(2)返済計画を立ててみる
借金の状況が把握できたら、それとご自身の収入・支出を照らしあわせて、完済に向けた返済計画を立ててみましょう。
無理なく滞納せずに完済できそうであれば、その計画に沿って返済を続ければ問題ありません。
返済資金に足が出そうであれば、支出を減らすなどして工面できないかを検討しましょう。特に、スマホアプリへの課金が高額に及んでいる場合には、課金額をカットすることを検討する必要があります -
(3)弁護士に相談して債務整理を検討する
支出の削減などによって工面しても、借金を完済することができない場合には、弁護士に相談して債務整理を検討しましょう。
債務整理とは、債権者との交渉や法的手続きによって、債務の減額または免除を認めてもらう手続きです。借金の返済に苦しむ方にとっては、債務整理が有力な解決策となります。
3、債務整理手続きの種類|メリット・デメリット
債務整理手続きには、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があります。
各手続きにはメリットとデメリットがあり、効果的に債務負担を軽減するためには、状況に合わせた適切な債務整理手続きを選択することが大切です。
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(1)任意整理
任意整理は、裁判所の介入なくして、債権者と直接交渉をすることによって借金の減額や返済スケジュールの変更などを認めてもらう手続きです。
任意整理の大きなメリットは、手続きが比較的簡単であるため、安価かつ迅速に債務負担を軽減できる点です。また、任意整理の対象とする借金は債務者が選べるため、保証人のいる債務を除くことで、保証人に迷惑をかけずに済みます。
一方、任意整理では元本の減額が認められにくいため、借金の総返済額は他の債務整理手続きより高くなることが多いです。また、債権者が同意してくれなければ、任意整理による借金負担の軽減は実現しません。 -
(2)個人再生
個人再生は、裁判所の個人再生手続きを通じて債務を減額してもらう手続きです。個人再生が認められれば最大10分の1に借金が減額され、原則として3年間で完済することが求められます。
個人再生では、任意整理よりも大幅な債務の減額が認められる可能性があります。また、一部の債権者が個人再生に反対していても、多数決原理によって個人再生手続きを進められることもメリットのひとつです。
さらに、自宅の土地・建物を手放さずに済む住宅資金特別条項(住宅ローン特則)が設けられているため、マイホームを所有している債務者にとっては有力な選択肢となります。
ただし、個人再生は、安定した収入があることが利用要件となっており、裁判所の関与の下で返済計画を立て、その計画通りに返済をする必要があるため、無職の方や定職に就いていない方の利用は認められません。
また、手続きの準備が大変で、弁護士に依頼する場合、ある程度費用がかかることもデメリットといえます。 -
(3)自己破産
自己破産は、裁判所の破産手続きを通じて、財産の処分・債権者への配当を行った後、債務全額を免除してもらう手続きです。
自己破産の最大のメリットは、債務整理手続きの中では唯一、債務の全額免除が認められることです。
また、収入・資産などにかかわらず支払不能であれば申し立てられるため、借金などに苦しむ債務者にとって最後のセーフティーネットとなっています。
その反面、自己破産の大きなデメリットは、債務者が保有している財産が処分されてしまうことです。生活に最低限必要な一定の財産は処分を免れますが、高価な物品などは処分されてしまうのでご注意ください。
また、破産手続開始の決定から免責許可決定が確定するまでの間、各種士業や警備員など一部の職業については資格制限が発生します。該当する職種に就いている方は、自己破産を申し立てる前に仕事への影響をよくご検討ください。
さらに、浪費や賭博で借金を作ったなどの「免責不許可事由」がある場合には、破産免責が認められない可能性もあります(破産法第252条第1項)。
ソシャゲアプリの課金は「浪費」に当たるため、それが原因で借金を作った場合には、免責不許可事由に該当する可能性が高いでしょう。
もっとも、免責不許可事由が存在する場合でも、裁判所の判断によって裁量免責が認められることがあります(同条第2項)。
債務者としては、身の丈に合わない借金を再び抱えないようにする決意や、そのための具体的な取り組みなどを裁判所にアピールすることが大切です。
4、借金問題を弁護士に相談するメリット
ソシャゲなどのスマホアプリへの課金が原因で借金を背負ってしまい、返済が苦しい、滞納してしまいそうな方は、早期に弁護士への相談をおすすめします。
弁護士は、適切な債務整理手続きの選択についてアドバイスいたします。また、実際の債務整理手続きへの対応についても、弁護士に一任していただけるので安心です。
スマホアプリへの課金額が膨らみ、生活費が圧迫された結果借金を抱えてしまった方は、お早めに弁護士までご相談ください。
5、まとめ
アプリ課金が原因で作った借金を滞納すると、最終的に強制執行によって財産を失ってしまう可能性があります。そうなる前に、弁護士へ債務整理についてご相談ください。
ベリーベスト法律事務所 立川オフィスでは、債務整理に関するご相談を随時受け付けております。手続き選択に関するアドバイスから、実際の手続きへの対応に至るまでワンストップでお任せください。
借金の返済が苦しくお困りの方は、お早めにベリーベスト法律事務所 立川オフィスへご相談ください。
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